文庫だけでなく、新書と選書もメモ。2025年1月刊行分から。
- 『科学と近代世界』
- 中央公論新社
- 2025年01月08日頃
- ISBN: 9784121601865
- 中公クラシックス W97
一七世紀に発生した近代自然科学はわれわれの精神にいかなる変化をもたらしたか。 科学史的手法で「科学的唯物論」を批判し「有機体の哲学」を提唱する。 「哲学者」ホワイトヘッドの出発点にして、最も多くの人に読まれた代表作。 全8回の白熱の「ローウェル講義」にもとづいて書かれた、科学史・科学哲学の必読文献。 〈解説〉中村昇 序 第一章 近代科学の起源 第二章 思想史における一要素としての数学 第三章 天 …
- 『「嘘をつく」とはどういうことか: 哲学から考える』
- 筑摩書房
- 2025年01月10日頃
- ISBN: 9784480685094
- ちくまプリマー新書 479
悪いとわかっているのに、それでもなぜ人は嘘をつくのだろう? 自分らしさと誠実さの倫理をめぐり、「人間の複雑さ」と出合う思考の旅 「嘘をついてはいけない」と言われるけれど、嘘をつくとは何をすることで、どう悪いのか。 それでもなぜ嘘をついてしまうのだろうか。 「自分自身であること」を選び取るために、ごまかすことなく嘘を真面目に考えてみよう。 「これから、嘘の哲学を始めます。嘘について丁寧に考える …
- 『東アジア現代史』
- 筑摩書房
- 2025年01月10日頃
- ISBN: 9784480076670
- ちくま新書 1839
鎖国から植民地化、幾度もの戦争を経て今なお残る冷戦構造── 近代化以降の東アジア地域を世界史の中で一望する、決定版通史! 「日本」「中国」「朝鮮」諸国を擁する東アジア世界は「鎖国」の終焉と共に近代化を迫られた。西洋列強の外圧の中で、植民地化や二度の大戦を経て、二一世紀の現代、劇的なまでの経済発展を達成している。一方で中国と朝鮮半島には今なお冷戦構造が残り、約二百年にわたるこれまでの歴史は、少子高 …
- 『読めば分かるは当たり前?: 読解力の認知心理学』
- 筑摩書房
- 2025年01月10日頃
- ISBN: 9784480685131
- ちくまプリマー新書 480
私達が文章を読むとき、内容を理解するだけでなく、感動したり、「それは違う」と思ったりします。こういう心の働きは、どのように起きているのでしょうか。 認知心理学の観点から、読解の複雑なプロセスを解明し、どうすればよりよく読むことができるのかを考えます。 読解力は一朝一夕で身につくものではなく、絶えず鍛えていかなくてはならないものです。まずは、自分の読解力の現状や、自分が望んでいるような「読解力があ …
- 『手段からの解放: シリーズ哲学講話』
- 新潮社
- 2025年01月17日頃
- ISBN: 9784106110726
- 新潮新書
「楽しむ」とはどういうことか? 『暇と退屈の倫理学』にはじまる哲学的な問いは、『目的への抵抗』を経て、本書に至る。カントによる「快」の議論をヒントに、「嗜好=享受」の概念を検証。やがて明らかになる、人間の行為を目的と手段に従属させようとする現代社会の病理。剥奪された「享受の快」を取り戻せ。「何かのため」ばかりでは、人生を楽しめないーー。見過ごされがちな問いに果敢に挑む、國分哲学の真骨頂!
- 『アメリカ・イン・ジャパン: ハーバード講義録』
- 岩波書店
- 2025年01月20日頃
- ISBN: 9784004320487
- 岩波新書 新赤版 2048
一八五四年、日本人に映る世界の見え方は一八〇度転換した。アメリカ人はこれを「ペリー提督の遠征」というが、私たちは「黒船来航」と呼んだ。同様に一九四五年の米軍がおこなった「空爆」を、日本人は「空襲」と呼ぶ。さまざまな出来事や事象を、日本、アメリカそれぞれのまなざしの下にとらえ「日本の中のアメリカ」に迫る。
- 『非暴力主義の誕生: 武器を捨てた宗教改革』
- 岩波書店
- 2025年01月20日頃
- ISBN: 9784004320494
- 岩波新書 新赤版 2049
一五二五年、宗教改革の渦中、幼児洗礼を拒むキリスト教の一派が誕生した。異端として迫害されながらも聖書の教えを守り、非暴力を貫いた彼らの信仰は、戦争の止まない現代に生きる私たちに何を語りかけるのか。メノナイト、アーミッシュ、良心的兵役拒否、被爆者の日米交流まで、五〇〇年にわたる愛敵と赦しの軌跡を辿る。 はじめにーー再洗礼派というマイノリティ 第1章 複数の宗教改革 1 …
- 『歴史的に考えること: 過去と対話し,未来をつくる』
- 岩波書店
- 2025年01月20日頃
- ISBN: 9784005009947
- 岩波ジュニア新書 994
なぜ歴史的に考える力が必要なのか。それは過去の上に立って、今を生きていることを私たちが忘れがちだからだ。結果、現代で起こる問題を近視眼的にしか捉えられず、社会を息苦しいものにさせている。近現代日本の歩みを振り返りながら、現在進行形の諸問題との連関を検証し、よりよい今、そして未来をつくる意義を提起する。 はじめに 序 章 1 過去は現在と切り離せないーーわたしたちは近代日本の戦争の「後」を生き …
- 『アッシリア全史: 都市国家から世界帝国までの1400年』
- 中央公論新社
- 2025年01月22日頃
- ISBN: 9784121028419
- 中公新書 2841
イスラエルの民を虜囚にし、敵対民族を残酷に処刑したとして、アッシリアは『旧約聖書』では悪役として有名だ。 しかしバビロニアの先進文明に学び、交易を行い、長きにわたって栄えた。 紀元前2000年に生まれた小さな都市国家が他国への隷従などを経つつも、シャルマネセル三世、サルゴン二世などにより勢力を拡大。 世界帝国となるが、急速に衰微し、前609年に瓦解するまでを、軍事・宗教・社会など多面にわたって描 …
- 『ユダヤ人の歴史: 古代の興亡から離散、ホロコースト、シオニズムまで』
- 中央公論新社
- 2025年01月22日頃
- ISBN: 9784121028396
- 中公新書 2839
ユダヤ教を信仰する民族・ユダヤ人。学問・芸術に長けた知力、富のネットワーク、ホロコーストに至る迫害、アラブ人への弾圧ーー。五大陸を流浪した集団は、なぜ世界に影響を与え続けているのか。古代王国建設から民族離散、ペルシア・ローマ・スペイン・オスマン帝国下の繁栄、東欧での迫害、ナチによる絶滅計画、ソ連・アメリカへの適応、イスラエル建国、中東戦争まで。三〇〇〇年のユダヤ史を雄大なスケールで描く。
- 『皇室典範ー明治の起草の攻防から現代の皇位継承問題まで』
- 中央公論新社
- 2025年01月22日頃
- ISBN: 9784121028402
- 中公新書 2840
明治の皇室典範制定で、なぜ皇位は男系男子に限られ、終戦後も維持されたのか。 皇室制度の専門家が、安定的皇位継承への道筋を探る。
- 『続・日本軍兵士ー帝国陸海軍の現実』
- 中央公論新社
- 2025年01月22日頃
- ISBN: 9784121028389
- 中公新書 2838
アジア・太平洋戦争で約230万人の軍人・軍属を喪った日本。死者の6割は戦闘ではなく戦病死による。この大量死の背景には、無理ある軍拡、「正面装備」以外の軽視、下位兵士に犠牲を強いる構造、兵士たちの生活・衣食住の無視があった。 進まない機械化、パン食をめぐる精神論、先進的と言われた海軍の住環境無視……全面戦争に拡大する日中戦争以降、それらは露呈していく。 本書は帝国陸海軍の歴史を追い、兵士たちの体 …
- 『はじめての大乗仏教』
- 講談社
- 2025年01月23日頃
- ISBN: 9784065383582
- 講談社現代新書
日本の仏教はすべてここから花開いたーー。 仏教哲学の碩学が巨大な思想の本質を平易に解説! ・縁起の関係主義的世界観とは? ・なぜ「他力」なのか? ・実体的存在を否定する「空の思想」とは? ・生死輪廻をどのように説くのか? ・菩提と涅槃とは何か?…… 私たちはなぜ、自我とものに執着し、苦しむのか。 大乗仏教の世界観と人間観の核心がわかる入門書にして決定版! 日本では、聖徳太子以来、大乗仏教の …
- 『知能とはなにか ヒトとAIのあいだ』
- 講談社
- 2025年01月23日頃
- ISBN: 9784065384671
- 講談社現代新書
「AIは人類を上回る知能を持つか?」 「シンギュラリティは起きるのか」。 今世紀最大の論点に機械学習に精通した物理学者が挑む チャットGPTに代表される生成AIは、機能を限定されることなく、幅広い学習ができる汎用性を持っている、そのため、将来、AIが何を学ぶかを人間が制御できなくなってしまう危険は否定できない。しかし、だからといって、AIが自我や意識を獲得し、自発的に行動して、人類を排除したり、 …
- 『世界のなかのフランスのフェミニズム』
- 白水社
- 2025年01月27日頃
- ISBN: 9784560510681
- 文庫クセジュ 1068
フェミニズムの大きな潮流を捉える 「いかなる社会や集団においても、あらかじめ定められたモデルなどは存在せず、女性の解放を訴える声は複数ある。その道のりは、一度きりの出来事で決まるようなものではない」(「日本語版まえがき」より)。 本書は、フェミニズムの歴史を世界規模で捉え、その多様性と発展を探究する。フランス革命期から現代に至るまでを三つの時代に分け、結婚、教育、参政権、生殖の自己決定権などの …
- 『ヨーロッパの地理哲学』
- 講談社
- 2025年01月16日頃
- ISBN: 9784065381601
- 講談社選書メチエ
ヨーロッパは、没落していくことをみずから欲せざるをえない。 そして没落していく者としてのみ、到来する者となるだろうーー。 アガンベン、エーコ、ネグリ、エスポジト……イタリアの思想家が世界を席巻するなか、その隆盛を牽引してきた最も重要な哲学者でありながら、日本ではいまだその全容を知られていない、マッシモ・カッチャーリ(1944年生)。クザーヌスやブルーノなどの異端的な思想を愛し、ニーチェに基づく「 …