新刊文庫、2025年2月刊行分からメモ。

哲学の教科書
  • 『哲学の教科書: ドゥルーズ初期』
  • ジル・ドゥルーズ/加賀野井 秀一
  • 河出書房新社
  • 2025年02月06日頃
  • ISBN: 9784309468105
  • 河出文庫

高校教師をしていたジル・ドゥルーズが教科書として編んだ、マリノフスキーから、ベルクソン、マルクスにいたる全六六篇のアンソロジー『本能と制度』と、出発点に位置する二一歳のときの小論文「キリストからブルジョワジーへ」。これら幻の名著を詳細な訳注によって解説し、潜在性、差異、多様体、力といった、ドゥルーズ哲学の原点を明らかにする。

マヌ法典
  • 『マヌ法典: ヒンドゥー教世界の原型』
  • 渡瀬 信之
  • 法藏館
  • 2025年02月07日頃
  • ISBN: 9784831826909
  • 法蔵館文庫

人類の始祖たるマヌは、偉大なる聖賢リシたちに請われ、世界の創造と、この世界のすべての人間にとって規範となるダルマを語り始めたーー。 多民族、多言語、多宗教の国であるインドにおいて、総人口の八割の人々が信仰するヒンドゥー教は、文化、政治、経済、社会における中心的役割を果たしている。ヒンドゥー教は信仰、人生観、生活実践が一体化した宗教であり、それだけに社会体制の根幹をなすものである。その原型ともいう …

実学思想の系譜
  • 『実学思想の系譜』
  • 源 了圓/大川 真
  • 法藏館
  • 2025年02月07日頃
  • ISBN: 9784831826893
  • 法蔵館文庫

幕末志士たちを生んだ改革エネルギーの源! 幕末の日本に改革・変革を目指す「志士」たちがなぜ登場し得たのか。迅速な近代化はなぜなされたのか。著者はその疑問を解くカギを「実学」に見出すーー。 山片蟠桃・海保青陵・佐久間象山・横井小楠・吉田松陰・福沢諭吉・北村透谷など、江戸中期から幕末、そして明治中期に及ぶ実学思想の展開・系譜を跡づけ、時代の底流を流れる思想水脈を把握し、維新遂行の知的・内在的要因を …

人間の本性を考える 上
  • 『人間の本性を考える 上: 心は「空白の石版」か』
  • スティーブン・ピンカー/山下 篤子
  • 筑摩書房
  • 2025年02月10日頃
  • ISBN: 9784480512819
  • ちくま学芸文庫 ヒー15-3

人間を決めるのは「生まれ」か、それとも「育ち」なのか。いまだに議論の応酬がやまないこの論争に介入し、世界中で大反響を巻き起こした認知心理学者スティーブン・ピンカーの代表作。本書でピンカーは、人間の心は「空白の石版(ブランク・スレート)」であってすべては環境により決定されるという議論に対し、性差など「生まれつき」の要素を無視することはできないとして徹底的な反証を繰り広げる。現代科学の膨大な研究蓄積を …

↑下巻も。

経済の本質
  • 『経済の本質: 自然から学ぶ』
  • ジェイン・ジェイコブズ/香西 泰/植木 直子
  • 筑摩書房
  • 2025年02月10日頃
  • ISBN: 9784480512895
  • ちくま学芸文庫 シー31-3

生態学(エコロジー)と経済学(エコノミクス)は、同じ問題を扱う「双子」だ! 経済の成長は自然と反目するものでなく、二つは共通の法則に従う。それを自覚することで、人間は自然と調和しつつ経済を営むことができるのだ──。市民生活から乖離していく都市計画や市場経済へ、批判の対象をひろげてきたジェイコブズ。人間のモラルを二体系にわけ相対する立場をどう調整できるか探った前著『市場の倫理 統治の倫理』から、本書 …

人間の権利
  • 『人間の権利』
  • トマス・ペイン/角田安正
  • 光文社
  • 2025年02月13日
  • ISBN: 9784334105716
  • 光文社古典新訳文庫

アメリカ独立の推進力となった『コモン・センス』の著者ペインが、E・バークによるフランス革命批判に反駁したのが本書『人間の権利』だ。ペインはフランス革命を擁護するだけでなく、祖国イギリスの君主制を徹底批判する。また「生存権」という観点から、貧困問題の解決、福祉政策などの政治改革を主張した。その急進性ゆえ発禁処分となった本書は、政治思想はもちろん、経済思想的にもあらためて注目されている重要古典である。

シュメル人
  • 『シュメル人』
  • 小林 登志子
  • 講談社
  • 2025年02月14日頃
  • ISBN: 9784065386927
  • 講談社学術文庫

紀元前3500年、まだ日本が縄文時代だった頃に巨大神殿を建て、古拙文字を発明。ビールを飲み、都市文明を謳歌し、華やかな宴会を繰り広げたシュメル人たち。紀元前2004年のエラム侵入により忽然と消えてしまった彼らの日常には、現代の日本や西欧社会に通じる様々なしきたりと人間模様が隠されていた! 古典の名著『ギルガメシュ叙事詩』や発掘された奉納額、図像などの一等史料を丹念に解読。王の父子相伝や戦記、后妃の …

キリスト教綱要 初版
  • 『キリスト教綱要 初版』
  • ジャン・カルヴァン/深井 智朗
  • 講談社
  • 2025年02月14日頃
  • ISBN: 9784065387825
  • 講談社学術文庫

本書は、フランス東北部ピカルディーに生まれ、スイスで宗教改革を実践して改革派を指導したジャン・カルヴァン(1509-64年)の名を知らしめた主著の初版です。 パリに出たカルヴァンは、マルティン・ルター(1483-1546年)によって推進されていたドイツの教会改革の影響を受けながら人文主義を身につけたあと、オルレアン、次いでブルージュで法学を修め、パリに戻って聖書の言語の研鑽を積みました。転機が訪れ …

形而上学叙説 他五篇
  • 『形而上学叙説 他五篇』
  • ライプニッツ/佐々木 能章
  • 岩波書店
  • 2025年02月17日頃
  • ISBN: 9784003361634
  • 岩波文庫 青616-3

バロックの天才ライプニッツ。実体の概念には「それ自身に起きるすべての出来事が含まれている」と説いた中期の代表作『形而上学叙説』をはじめ、アルノー宛書簡、デカルト哲学と対峙した「デカルト『哲学原理』評釈」などを収録。ライプニッツの世界観の形成過程と後年の「モナド」や「予定調和」の萌芽をここに見る。新訳。  凡 例 一 形而上学叙説(一六八六年) 二 アルノー宛書簡(抜粋)(一六八六ー一六九〇年) …

万博からみた音楽史
  • 『万博からみた音楽史』
  • 井上さつき
  • 中央公論新社
  • 2025年02月21日頃
  • ISBN: 9784122076150
  • 中公文庫 い145-1

ベルリオーズ、マーラーが指揮棒を振り、ドビュッシーからガムランから着想を得る。音楽の普及や楽器の発展に寄与した近代万博の歴史を読み解く 第一章 水晶宮の国際博 一八五一年ロンドン 第二章 ナポレオン三世の見果てぬ夢  一八五五年パリ 第三章 初の「音楽展示」 一八六七年パリ 第四章 音楽の殿堂トロカデロ宮 一八七八年パリ 第五章 エッフェル塔とガムラン 一八八九年パリ 第六章 ホワイ …

比較神話学
  • 『比較神話学』
  • フリードリヒ・マックス・ミュラー/山田 仁史/松村 一男
  • KADOKAWA
  • 2025年02月25日頃
  • ISBN: 9784044008574
  • 角川ソフィア文庫

宗教学の祖マックス・ミュラーは、人類の始原を明かすため、古代インド神話とギリシア神話の比較研究を始めた。神と自然現象は同一だったとし、近親相姦のような忌まわしい記述は、自然を古代言語で表現した名残だとした。こうした学説は、合理的思考を求めた19世紀の英国で歓迎される。そして、神話は「古代世界の宗教」と位置づけられ、後の宗教学へと繋がっていった。学問の曙光となった重要論文に、訳注・解説を付す。 『比 …